内なる成長





○第4話:「内なる成長」

カチャ・・・・・・

ソフィは教会の地下にある射撃場に来ていた。

ドンッ!

ソフィ「あぅ・・・・・・」

ズキズキ・・・

いつもどおり的の真ん中を狙って撃つ。しかし撃った直後全身に痛みが走った。いつもならこんな事

は無い。しかも、明らかに弾の威力は無く速度も遅くなっていた。

ソフィ「・・・・ちゃんと集中して・・・・・・」

もう一回気を取り直し、引き金を引く。

ドンッ!

カシャン!カラカラ・・・・・・

ソフィ「つ・・・・・・なんで?なんで?」

今度は痛みに耐え切れず銃を落としてしまった。絶対何かが違う、そうソフィは思った。

エミカ「・・・・大丈夫?・・・・ちょと不安だったから見てたけど・・・・・」

ソフィ「・・・・・・銃が・・・・・・もてません。」

ソフィは今起きた事がいまだに信じれないでいる。

エミカ「・・・・開放してみて?」

開放とは霊力の開放の事で、霊力はいつでも出ているわけではない。ある特殊の念じ方とか体の使い方を

すると出せるのだ。幽霊でもない限り、人間の霊力は解放した分だけ出て行ってしまうのだ。そのかわり

、一日休めば元に戻るので出しっぱなしでもなかった。

ソフィ「はいっ・・・・・・・・」

ソフィは修道僧が祈るようにおでこのあたりに握った手を当てる。

ソフィ「・・・・・・・・・・・」

エミカ「・・・・・・・」

ズキズキ!!

ソフィ「っ・・・・・・・・・」

霊力を半分出したときにまた痛みが走る。

エミカ「そうとう重症だね・・・・・・」

ソフィ「これは・・・・・・なんですか?」

今まで経験した事の無いため、不安がよぎる。

エミカ「外傷による霊力の欠落と、精神が弱くなっているわ。」

ソフィ「精神が?そんな・・・・・私、平気ですよ。」

そう、前の戦いのとき怪我を負ったが、それも覚悟の上のことで全然気にしていなかったはずである。

エミカ「これは、本能の問題だね。ソフィの精神力は普通の人より強い・・・それは私でも分かるよ。でも、

あの時負った怪我は骨まで破壊するような噛み付きだったの、そんな攻撃を受けていても理性の精神力は大丈

夫でも、本能の精神力まで大丈夫とは限らないの。」

ソフィ「じゃあ、本能の精神力が私の霊力にブレーキをかけているのですか?」

エミカ「そういうことになるね。動物でもそうだけど、本能は理性ほど強くないの、たとえ世界で一番強い霊

    力を持っていたとしても本能が駄目になっちゃうと

    途端に力は発揮されないの。」

そう、本能は動物の基礎であり、誰もが持っているものである。そしてこの本能は自分を守るために理性より

弱いのだ。

ソフィ「私は・・・・・・どうすればいいのでしょう・・・・」

悔しさのためソフィは泣き始めてしまった。

エミカ「ああ、泣かないで・・・・・おちついて・・・・」

ソフィ「だって!私はお姉ちゃんの邪魔ばっかりしてて・・・・・・私が悪霊を倒した時だってお姉ちゃんが

いなかったら倒すことはできなかった・・・・・」

ソフィ「それに、私の力がなくなっちゃったら、私は・・・・私は・・・・お姉ちゃんにとって本当の邪魔者に

    なっちゃう・・・・・・・」

ソフィは少なからず、クリスに対してプレッシャーを感じていた。いつもどんなときでもソフィよりもうまくで

きる。いつかソフィもクリスのうようになってみたいと夢に描いていたのだ。

エミカ「・・・・・・・・」

ソフィ「私なんて・・・・・・私なんて・・・・・必要ない子なんだっ!」

カツカツカツ・・・・・・

バシッ!

いきなり、クリスがソフィの前に立ち頬にビンタを食らわせる。突然の事なのでソフィも固まってしまった。

クリス「さっきから聞いていれば・・・・・なんて貴方は自分のいい所を知らないの?」

いつも温厚のクリスが怒っている。ソフィが過去にクリスに怒られたのは5年ぐらい前になる。

クリス「私はね、ソフィが役立たずなんて一回も思ったこと無いんだよ!むしろ感謝や謝りたいぐらいなんだか

    らね。」

エミカ「・・・・・・・」

2人の邪魔をしないようにエミカが射撃場から出る。

クリス「ソフィがいないと効率よく敵を倒す事ができないから、今まで勝ててこれなかったと思う。しかも、いつ

    も戦いで厚くなった私を覚ましてくれるのもソフィだよ。」

ソフィ「・・・・・・・・・」

クリス「昨日だって・・・・・本当なら私が噛まれないといけないのに・・・・ソフィがけがすする事になったし・

    ・・・・・・」

怒りながらも、クリスにも涙がこぼれる。

クリス「だから・・・・・・必要ないなんていわないでよ・・・・・私の気持ちも考えてよ・・・・・・・」

ソフィ「うっ・・・・・ひくっ・・・・・・・」

クリス「ね・・・ひっ・・・ううっ・・・・・」

2人とも泣いていてうまく喋れない。しかし、2人にはまた、絆が深まった気がした。

ソフィ「ごめんなさい・・・・・私・・・・・あせっていて・・・・周りが分からなくなってた・・・・」

クリス「ごめんね・・・・私がもっとしっかりしていたらソフィをこんなに困らせずにすんだのに・・・・・」

ソフィ「ううん、お姉ちゃんは悪くない・・・・・」

クリス「ごめん・・・・・・ごめんなさい・・・」

2人はその場で抱き合う。自分の不甲斐なさと力の無さに・・・・







クリス「・・・・・・ソフィ・・・落ち着いた?」

ソフィ「うん・・・・・落ち着いた・・・・・」

2人とも30分は泣いていた。

クリス「でも、霊力がなくなっちゃったら・・・・・」

ソフィ「うん・・・・・・」

普通霊力は日々の鍛錬によって増えていくのだ。つまり、精神力を鍛えるという事はコップを大きくする事と同じ

で、コップが大きければ大きいほど霊力は強くなり長く出す事ができる。

ソフィ「エミカさんは大丈夫って言ってたけど・・・・・・」

クリス「そのエミカさんも何処か行っちゃったし・・・」

大丈夫とは何だろう・・・結局2人はエミカを待つしか方法は無かった。







エミカ「もう終わった?」

エミカが戻ってきた。なぜか、はねが2,3枚落ちている。

クリス「うん。終わったよ。」

ソフィ「ごめんなさい・・・・その・・・いきなり怒ったりして・・・」

エミカ「ううん。だれだってああなれば怒りたくもなるよ。」

クリス「それで、エミカさんはどこにいてのですか?」

エミカ「神様連れてきたよ〜。」

ソマリア「あ〜大きくなったね〜〜・・・って覚えてないか。」

エミカの後ろから見知らぬ女性が現れた。キリスト教には教会に神様を置く事はしない。というか、仏教みたいに

神に値する基準がずっと高いのだ。仏教での神様は、昔からいた霊が神になりだいたい1000年から2000年

ぐらい前にその土地で現れた霊(善霊)が神様として祭られる事が多い。しかしキリスト教では神は霊とは別のも

ので、神はこの世で一人しかいないとされていて、神からの使いが霊ということになっている(イエス・キリスト

は神の代弁者であり、死んだ後は神の使いになっている)

クリス「神様?」

ソフィ「あの・・・・ゼウス様(ジュピター)ですか?」

ソマリア「いやいや・・・・あの方は昔の人ですよ。神様だって亡くなったり生まれたりしますから。私は「ソマ

     リア」といいまして神様に使える守護神(ガーディアン)です。」

エミカ「それで、私はこのソマリア様の召使ってことになるの。」

ソマリア「また地上が大変な事になるとエミカから聞きましたので。お力になろうとやってきました。」

クリス「え?でも、さっき久しぶりって・・・・・・」

ソフィ「ソマリアさんは私たちに会ったことがあるのですか?」

ソマリア「はい、生まれた直後ですが一回だけあります。貴方たちのような修道僧に霊感を与えるためにかならず

     出産のときは地上に降りてくるのですよ。」

クリス「じゃあ、この力はソマリア様が与えてくださったのですか?」

ソマリア「いや、与えたのではなくて霊力が出せるように力を与えた・・・・あ、与えた事になるのですね。」

ソフィ「神様なんて始めてみたよ・・・・・・」

エミカ「まあ、普段は決して降りてこないからね。今回は事情が事情だから手伝ってもら

う事になったよ。」

普段決して神様は降りてはこない。地上で何かするときはエミカのような召使に頼んだりしているのだ。

クリス「事情?」

ソマリア「サタン・・・・・ここの言葉では鬼海が現れたそうですね。鬼海という者は神になれない悪霊なの

     です。だから力は神に匹敵しますし、普段倒している悪霊とは比べ物にならない知力も持っているの

     です。」

エミカ「はっきり言って、今の2人に力じゃ勝てないのよ。だといって、神様が戦う事は

    決して許される事ではないんです。神様が力を振るうという事はその周辺の地域の環境が変わるほどの力を持っ

    ています。そんなのをここで使ったりしたら・・・・」

ソマリア「ここは灰燼に帰す事になります。だから私たちに代わって霊たちを治める事のできる人間・・・・・修道院

     を作ったのです」

エミカ「宗教によって発生は違うけど、ヨーロッパではキリスト教、極東アジアでは仏教

といったふうになっています。」

クリス「では、どうやって鬼海に勝つのですか?」

ソマリア「クリスチーナさん、ソフィアさんの霊力の底上げをします。・・・・・10倍以上には上げるつもりです。」

ソフィ「10倍ですか?!・・・・・鬼海が目覚めるのはいつなんですか?」

ソマリア「あと10〜12日といったところでしょうか・・・・・」

クリス「そんな短時間で、10倍に上げれるのでしょうか?」

ここ17年間やっていたものを、あと10日で10倍にしないといけないのだ。2人はソ

マリアのことを疑う。

ソマリア「本当はこんな事はしたくなかったのですが・・・・事と時間を争いますので・・・・これから毎日私

     がクリスさん、ソフィさんに力を与えます。」

クリス「ソマリア様の力ですか・・・・・」

ソフィ「そんなことをしてもいいのですか?神様が人間に直接手を貸すのは・・・・」

ソマリア「貴方たちは神様に代わって霊を浄化させる者なのです。私だってこんな手を使いたくはありませんが、

     それほど鬼海は恐ろしい存在なのです。」

クリス「そうですか・・・・・」

ソマリア「あと、私から貰った力を過信しないでください。いくら強大な力とはいえ人から貰った力です。自分

     で身につけた力ではないので精神が不安定になってしまったり、力におぼれて自分を忘れてしまっ

     たりするかもしれません。」

エミカ「昔の私がそうだったように、力を手にするということは危険な事だからあんまり

使わないようにしようね。」

かつてのエミカというのは、悪霊時代の事である。エミカは普通の悪霊より霊力が高かったために自分を忘れて

、負の霊気に飲まれてしまったのだった。

ソマリア「まず、ソフィアさんの霊力を戻します・・・・」

そういうとソマリアはソフィの頭に手をかざし気を入れる。

ソフィ「・・・・・・・・うっ・・・・・うう・・・・ゲホッ・・ゲホッ!!」

ソフィはその場でうずくまり咳き込んでしまった。

クリス「どうしたの?」

ソマリア「精神の鍵を無理やり開けました。少しの間、昨日の事が思い出されて気持ち悪くなるかもしれませ

     ん・・・・・」

エミカ「ソフィちゃん・・・・がんばって!」

ここからはソフィ自信の戦いになる。昨日の恐怖にかたないと一生霊力は上がらない体に

なってしまうのだ。

ソフィ「うう・・・・・ぁぁぁ・・・・・・・・・・・・・」

今はもう直った腕をさすりながら苦しみ始める。横では必死にクリスが励まし続けていた。

ソマリア「・・・・・・がんばってください・・・・・」

エミカ「・・・・がんばれ・・・・」

ソフィ「うう・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

ソフィが動かなくなってしまった。ソマリアは悔しそうに頭を抱え込む。

ソフィ「・・・・・・・・・・・・・・・・・」

ソフィはぴくぴく痙攣はしているが呼びかけても返事も反応もなくなってしまった。

1〜2分が経過する。時間にしては短いのだろうが、1時間にも2時間にも感じるような気がした。





ソマリア「やはり・・・・・・・ソフィアさんには荷が重すぎたのでしょうか・・・・・」

困ったようにソマリアがつぶやく

クリス「・・・・ねえ!ソフィはどうなったのですか?」

クリスがソマリアにしがみつき必死に尋ねる。

エミカ「・・・・・クリスちゃん・・・・」

ソフィ「はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・・・」

しばらくしてソフィが何かに気づいたように息をする。

ソマリア「・・・・・あ・・・・・・・」

クリス「・・・・・・・大丈夫?」

エミカ「・・・・・・・・・・・・・・」

皆息を呑んでソフィを見つめる。

ソフィ「・・・・はい、かちました・・・・・・・」

額に汗をびっしょりさせながらソフィが立ち上がろうとする。しかし、精神を使いすぎたため、体が言う事を聞

かない。

ソマリア「強いのですね・・・・・・」

ソフィ「まだ、お姉ちゃんの役に立ちたいですから。」

クリスに抱えられながらソフィは一言喋った。

ソマリア「今日は疲れたと思います。ゆっくり休んで夜に備えてください。」

エミカ「布団はもう引いてあるからすぐに寝れるよ〜」

クリス「ありがとうございます」

ぺこりと頭を下げてよろよろと階段を駆け上がる。

エミカ「2人はどうですか?」

二人が見えなくなったのを確かめてエミカが喋る。

ソマリア「さすが、予言人だけあります。精神力が半端じゃありません。あの人たちなら・・・・私たちのよう

     な失態を起こさずにすむと思います。」

エミカ「そうですか。そうですね・・・・2人は強いですからね・・・」

ソマリア「どうか、あの2人に幸せのご加護を。」

2人は、射撃場の後ろにある小さな十字架に祈りをささげた。







ソマリア「ソフィアさん・・・大丈夫ですか?」

ソフィ「はい。大丈夫です。」

時間にして4時間は寝ていた。そのおかげでソフィはいつものソフィに戻っていた

クリス「今度は何をするのですか?」

ソマリア「これから、2人の霊力を2倍に上げます。そうとう、精神力がいるので覚悟してください。」

クリス「まえ、ソフィがなっていたように・・・・?」

もがき苦しむソフィが思い浮かぶ。まるで毒物を飲んだように苦しむ姿は見ているほうも

苦しくなってきていた。

ソマリア「いえ、あそこまで酷くはありませんが・・・・でも、2人の精神力では入らないような霊力を入れま

     すので、気持ちが悪くなります。」

クリス「力を手に入れるならこのぐらいのリスクは覚悟の上です。」

2人に迷いの心は無く、ただ敵を倒すだけの力・・・人を守れる力が欲しい、それだけし

かなかった

ソマリア「いい目をしています・・・・でははじめますね。」

ザワザワ・・・・・・・・

急に辺りが騒がしくなる。ソマリア、クリス、ソフィの周には風が吹き始め、砂が舞い上

がる。

ソマリア「全知全能の神よ、この地上の守護僧に力を与えよ・・・・」

呪文みたいな言葉を言いながらソマリアは2人に手をかざす。

ソマリア「・・・・・・・・」

ソマリアの手がまばゆく光り、それが2人に吸い込まれていく。

クリス「うっ・・・・・・すごい・・・・・」

ソフィ「・・・・・・・今度も・・・・・・」

2人の体には経験したこの無い霊力とそれによる悪寒が入ってくる。さっきもそうだが、

ここで精神力が折れてしまうと一生霊力を身につけることができなくなってしまう。

ソマリア「もう少しです・・・・」

クリス「・・・・・ソフィ・・・・」

ソフィ「うん・・・・・・・・」

2人は手をギュッとにぎる。そして2人で痛み、苦しみを耐える。

ゴゴゴゴ・・・・・・・

ソマリア「はい、おしまい。」

かざしていた手を二人の肩にポンと置く。

クリス「きついですね・・・・・」

ソフィ「疲れた・・・・・・」

ソマリア「普通の人なら精神が壊れて再起不能になるぐらいですからね・・・・やはりお2人は強いです。」

エミカ「おめでと〜。」

横から見ていたエミカもこちらにやってきた。

ソマリア「今度はこの力を実際に見てみましょう。」

そういって4人は地下の射撃場に向かった。

ソマリア「まず、お2人にはこのぐらいの強さに待ってもらいます。」

そういって、射撃場にあるハンドガンを一つ取る。

カチャ・・・・・ジャラララ・・・・

カチン!

キャキ・・・

なんとソマリアは弾を抜いて的に狙いを定める。

クリス「あの・・・・弾は?」

さすがにクリスも疑問に思う。この弾は特殊化金属でできていて霊気を貯めてこれを悪霊にぶつけるのだ。霊力

を弾に込めることによってこの銃は霊を倒す事ができるのだ。

ソマリア「シー・・・」

ソマリアはクリスの口に人差し指を当てて言葉を制する。

ドコォォォン!

ソマリアが引き金を引いた瞬間、銃からは絶対出ないような爆音が出て、人の腕ぐらいある光の軌道が的まで延びた。

ソフィ「あわわわわ・・・・・・」

クリス「すごい・・・・・」

ソマリア「弾が無くても銃を撃てるような霊力を身につけてもらいます。」

ソマリアが撃った的にはバスケットボールぐらいの穴が開いていた。

ソフィ「さすが神様の守護神様です・・・・霊力が半端じゃないですね・・・・」

ただただビックリする。

ソマリア「ソフィさんも、玉無しではまだ撃てませんが確実に威力は上がってますよ。」

ソフィにさっき撃った銃を渡す。

ソフィ「はぃっ!」

チャキ・・・

カチカチ・・・・

カチャ・・・・・

弾を入れて的に狙いを定める。

ソフィ「・・・・・・行きます!」

ドウゥン!!!

ソフィ「キャ!・・・」

あまりの勢いのためソフィは飛ばされてしりもちをついてしまう。

エミカ「大丈夫?」

とっさにエミカが後ろに回ってソフィを抱え込んでいたので床にしりもちをつかずにすんだのだ。

ソフィ「はい・・・・すみません・・・・こんなに威力が上がっているなんて・・・・」

クリス「すごいよ。ソフィ!的が粉々になっちゃった・・・・・」

そういってさっき狙いを定めていた的をソフィに見せる。

ソフィ「あわわわわ・・・・おそろしい・・・・・」

今度は腰が抜けてしまいうまく立てなくなってしまった。

ソマリア「力はあればあるほど頼もしいですが自分を壊すことにもなるものです。今の感情をしっかり持ってい

     てください。」

クリス「そういえば、ソマリア様。」

ソマリア「はぃ。」

クリス「なぜ、ソマリア様は弾なしでも的を射抜くことができたのでしょうか?霊気は物には当たらないはず

    では・・・・?」

ソマリア「それはエミカと同じことが言えますね。確かに霊気・・・・霊子は普通の人には見えませんし、触る

     事もできません。しかし、エミカの様に高密度に集まった霊子は普通の人も触る事ができます。この

     弾もそれと同じように、高密度に圧縮した霊気を飛ばすことにより、この世界にあるものを壊す事が

     できるようになるのです。」

霊子とは、原子や分子のよう元素の元の一つでこの世界で一番小さい物質(宇宙上)ニュートリノと同じ大きさ

の物体なのだ。この霊子が薄いとニュートリノの様に体をすり抜ける事もできるし、姿を隠す事もできるのだ。

霊が体をすり抜けたり物をすり抜けたりするのはこのためである。京子や夏樹、またエリカやソマリアが普通の

人に見えるのも霊子が普通の霊の何億倍に集まっているためである。

ソフィ「では、私の撃った弾はなぜ、あんなに威力が上がっているのですか?」

エミカ「それはね、この弾は霊気を貯めるために使われているの。まあ、この物質も霊には当たるからダメージ

    はあるかもしれない、でもこの銃は霊気を固めて撃つのが本来の使い方なの。しかし、ソマリア様のよ

    うな霊気を持っている人はごくわずか。そのため先代たちは自分の霊気を貯めて撃てる銃を作ったの。」

ソフィ「じゃあ、私の撃った弾の威力が上がったのは・・・霊力が増したためですか?」

ソマリア「そう、でも私が挙げた霊力はまだ安定していなかったから暴走しちゃったみたいだね。」

ソマリアがソフィの撃った銃を拾って銃身を見る。そこにはあまりの威力のせいで破壊されている銃身がある

ソマリア「これからは、銃の技術はもちろん精神力を上げる修行もしないといけません。」

クリス「はいっ。」









総合ショッピングモール

クリス「こう見るとここも広いんだね〜」

ソフィ「いつもは人がいっぱいでうまく歩けないからね」

クリスたちは最近できた今風のショッピングモールに来ていた。各店舗は独立した店を持っていて商店街のよう

な感じだった。そこには本屋、ホームセンター、かばん屋、服屋、スーパーマーケット、電気屋が並んで立っている。

ソマリア「ここら辺もだいぶ変わりましたね。私が来たときにはここは工場が立ててありましたよ。」

クリス「じゃあ、ソマリア様がいる間私たちがこの町を案内しますよ。」

ソフィ「少し前に比べて変わりましたからね。」

ソマリア「うん、よろしく頼むね。・・・・でもこのことは神様には内緒だよ。地上の人と遊んでいる事がばれ

     たら怒られちゃうからね。」

クリス「ははは・・・・・」

ソフィ「守護神様もけっこうお茶目なんですね。」

ソマリア「だって、心がありますから!」

これから悪霊退治というのに話が弾む。最初のほうは神様という事でクリス達も敬遠していたのだが、半日話し

ているうちにだんだん打ち解けていったのだ。というか、気前のいいお姉さんのような人柄なので心が自然と許

せてしまったのかもしれない。

ソマリア「さて・・・・・本日のお客さんに着きましたよ。」

クリス「はぃ!」

ソフィ「うん。」

そこには大きな蛇がいた。体長10mぐらいのとても大きい蛇だ。

ソマリア「さて・・・・・なぜ、人間の邪魔をするのですか!

大蛇「人間は敵だ・・・・憎む憎む憎む!!!」

クリス「まあ、邪念の集まりだから・・・・・」

ソフィ「でも、この蛇強いよ・・・」

ソマリア「一気にけりを着けちゃってください!」

クリス「神に変わって貴方を排除します。」

ソフィ「任務開始。敵の排除を開始します。」

2人は今までの顔つきとは打って変わり、真剣な顔つきになる。

ソマリア(そう・・・・・新しい力を得た使者はどんな力なのだろう)

フワッとソマリアは飛びあがり2人を見守る。

クリス「ターゲット・・・・セット!」

ソフィ「お姉ちゃん!左から来るよ!」

ブオン!

大木のような尻尾がクリス目掛けて飛んできた。

クリス「ええ!ソフィは尻尾をお願い!」

ヒョイっと尻尾をかわす。まるで軽業師のようだ。

ソフィ「セット!・・・・ヤッ!」

シュッ!シュッ!

ソフィは後ろに跳躍して二本の短刀を尻尾に狙って当てる。

ドス!ドス!

大蛇「うぎゅあぁぁぁぁぁ!」

短刀は見事尻尾に当たったのだが、威力が違いすぎて尻尾を吹き飛ばしてしまった。

クリス「おお、やるねぇ・・・・」

ソフィ「力加減が・・・・・・」

しかし、大蛇には確実にダメージになっている。

クリス「これでしとめる!」

クリスは飛び上がり一気に大蛇との間合いを縮めて、両手に銃を構えて大蛇の頭を狙う。

大蛇「こしゃくな・・・・・・」

大蛇もクリス目掛けて突っ込んでいく。

ソフィ「ターゲット、ロック。セット!」

後ろにいたソフィが大蛇の頭に銃弾を打ち込む

ドォン!

大蛇「なっ・・・・・・・・・・」

大蛇が喋る前に顔は吹き飛び、胴体だけが残る。

クリス「よしっ!

ソフィ「任務成功。

ソマリア「おつかれさまでした。どう?強い力を手に入れた感じは?」

クリス「すごいです!」

ソフィ「自分じゃないみたいです」

今までの力では倒せなかった相手がいまでは一瞬に倒せてしまったのだ。

ソマリア「それはよかった・・・・・・・ハッ」

何かに気づいたようにソマリアは建物の上を見る。

???「お見事。しかし、そんな強さでは私には勝てないよ・・・なあソマリア。」

明らかに今までの悪霊とは違う。相手からは100m以上はなれているのに禍々しい霊力が感じられている。

ソマリア「現れましたね!グール!この子達はまだまだ力が上がります。それまで待っていてください!」

クリス「グール?」

ソマリア「そう、グール、鬼海です。」

ソフィ「なんと禍々しい霊気なんですか・・・・・」

ソマリア「怖いですか?」

クリス「冗談。クール!貴方は絶対に私たちが成仏させる!それまで大人しくしていなさい!」

ビシッと人差し指でグールをさして叫ぶ。

ソフィ「怖くなんて無いですよ。力の差ははっきりしていますがなぜか負ける気がしません。

ソマリア「そうですか。頼もしいですね。」

グール「ははっは・・・・威勢のいい娘たちだ・・・・では私が完全体になる7日後また会うとしよう・・・・

    では!」

グールはスゥーと消えてしまった。

ソマリア「神のご加護が・・・・」

ソマリアは満点の星空の下祈りをささげた。